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ジャーナリズム×人材育成

「良い記事が書ける能力とは」。記者の人材開発について研究しています。

「良い記者ってどんな能力があるの?」を追究します。ブログ始めました。

◆ネタをつかむために記者がやっていること◆

数年前、僕は毎晩、住宅街の片隅に立っていました。大体2〜3時間、じっと立って、取材先の帰りを待ちます。いわゆる「夜回り(夜討ち)」という、記者の仕事の一つです。

 

「何時やと思ってるんや!帰れ!」。そんな言葉を浴びせられる事も多いです。「なんでこんなことやっているんだろう……」。非常識なことをやっていることを自認しつつ、若手の記者は日々、悩みながら情報を集めることに奔走しています。

 

砂利の中から砂金をすくうような作業から、ニュースは生まれます。ネタをつかんだ時、足を使って一次情報をつかむ作業がどれだけ大切なことかを痛感するのです。本にもネットにも載っていない情報。伝えなければならない情報が、世の中にはたくさん眠っています。

 

一方で、効率が悪いし、合理的ではない側面が本当に多いと感じました。手当たり次第、情報がありそうなところを回り続けたり、何時間も待ったりする業務も少なくありません。でも、きっとここには、最短距離で情報をつかむため、記者それぞれが生み出した独自の工夫があるように思います。

 

◆特ダネ記者とそうでない記者の差って何なのだろう?◆ 

多くの特ダネ記事を書く記者もいれば、そうでない記者もいる。この差は何なのでしょうか。当然、元々持っている資質の差もあるでしょうし、さらに情報に対するアプローチの方法も異なるように思います。

 

うまくネタがとれず、記事が書けなかった時、「僕たちこんなに努力しているのに、なんでこんなことになるんですかね」と、後輩記者から涙ながらに電話を受けたことがありました。僕は後輩を慰める事しかできず、恥ずかしい思いをしました。

 

「こういう能力が必要だよ」とか、「こういうスキルを磨く必要があるね」という客観的かつ妥当なアドバイスができれば、情熱を持った記者はもっと成長するはずだと思います。ひいては、良い記事が出る頻度が上がり、日本のジャーナリズムの質は上がるのではと思います。

 

メディアスクラムや剽窃記事、捏造記事など、メディアの質について疑問視される声は多いですが、一方で素晴らしい記者もたくさんいます。僕は、良い記者の持ち合わせているスキルや、言葉に表せない「暗黙知」レベルでやっている工夫の共通点を、研究を通じて明らかにしていきたいと考えています。

 

このブログは、研究の中での学びを整理し、アウトプットするために開設しました。まずは、ゆっくりと薄らいできている記者時代の経験を改めて思い返し、棚卸しすることから始めたいと思います。