ジャーナリズム×人材育成

「良い記事が書ける能力とは」。記者の人材開発について研究しています。

記者はプレスリリースのどこに注目しているのか。

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◆プレスリリースを読み込むことはない◆

先日、公益社団法人「チャンス・フォー・チルドレン」(https://cfc.or.jp/)が、被災地の家庭の状況をアンケート調査した結果を、報道関係者らに発表したいとのことで、プレスリリースの作成をお手伝いをさせていただきました。

 

発表当日は大盛況で、大手紙にも取り上げられたようで、少しでもお力添えできたのなら、よかったと喜んでいるところです。内容の詳細はこちら(https://cfc.or.jp/archives/event/2015/03/10/8748/)。

 

さて、プレスリリースを書くにあたっては、どんな点に気をつければよいのでしょうか。

 

プレスリリースは、都市部になればなるほど、毎日、記者のもとへ大量に届きます。大量の資料を隅から隅まで読み込む時間はないため、さっと目を通してほとんど捨ててしまいます。

 

プレスリリースを出す方は、当然、記事として取り上げてもらいたいわけですから、記者を「おっ」と思わせるポイントを仕込んでおく必要があります。

 

例えば、一般紙を対象とした場合、プレスリリースの内容については、以下のような工夫すべきポイントが考えられます。

 

 

◆プレスリリースを書く上でのポイント◆ 

1:プレスリリースには記事に必要な最低限の情報は載せる
「いつ、どこで、だれが、なにを、どうする。その目的は……」。というのをストーリー性を持たせておもしろく、わかりやすく、端的に書いておく。写真として見栄えがするかどうかも伝えた方がよいです。また、情報にアクセスしやすいように、担当者の携帯や、つながりやすい連絡先があればなおよいと思います。とにかくすぐに原稿が書きやすい体制を整えておく必要があります。

 

2:公益性の高いものにする
一企業の私利私欲感が出ると、一気にトーンダウンします。社会性のある要素を作る必要があります。ボランティアで○○するとか、無償で○○を提供するなど。また、特定の業界の人だけでなく、広く一般の人が関心のあるような内容にすることも重要です。NPOの活動が記事になりやすいのは、公益性が高いからです。

 

3:「○○初」「○○で一番」「最大級の○○」という言葉をつける
「一番」は、「日本で一番」だけではありません。関東で一番、県内で一番、今年一番でもよいです。何かしらの一番を見つけることが大切です。ほかにも、業界初の○○を開発した、日本では戦後初めてなどでもよいです。ちょっとあおり気味でも、キャッチーな部分を見つけ出すことで、記者はとりあえずどんなものなのか聞きにくると思います。


4:全国的にネームバリューの高いものに引っ掛けた企画を考える。
東京ならスカイツリー、雷門、京都だったら清水寺、舞子さんなど、全国の誰しもが知っているものに関連した内容にすると記事になりやすいです。古来の祇園祭を○○で再現しましたというような、直接、有名なものとコラボしなくても、有名な名前が使えるようにすることが重要です。


さらに、売り込み方も時と場合によって、工夫すべきポイントがあるように思います。あくまでも、イレギュラーテクニックですが、次の2点が考えられます。

 

◆イレギュラーテクニック◆

1:いいネタなので、とにかくどでかく行きたい!という場合
信頼できるクレバーな記者がいれば、公式リリースより先に伝える。「まだほかの誰にも言ってないんですが……」という言葉は、記者を大きく引きつけます。お互いの立場があるので、なかなか難しいですが、妥協点を模索してリリースすることで予想以上に大きく扱ってもらえることがあるでしょう。


2:とにかく地域面のベタ記事でもいいから、記事としてねじ込みたい!という場合
懇意にしている記者に頼み込む。「これだけは載せないと社長のメンツが……」、「先方との兼ね合いとかでどうしても記事にしたいのだれけど……」という場合があったら、「地域面の2面でいいから載せてほしいんです」とお願いすれば、良い記者なら載せてくれるかもしれません。


記事は、記者が載せるかどうかを判断できるわけではありません。当然、上司がいて、さらに上の上司がいて、という具合に意思決定権ははるか遠くにあります。

 

第1フィルターとして現場に存在するのが記者。彼らが上司に真っ先に聞かれるのは「それ、おもしろいの?」「それ、珍しいの?」「他社は知っているの?」です。


記者も、自らの業績を上げるため、大きな記事を書きたいと思っているので、うまい売り込み方を考えています。すでにプレスリリースに、売り込みやすいポイントが載っていたら、当然使いたくなります。

 

私はこれまでの経験で、最強の広報に出会ったことがあります。プレスリリースには、すでに記事スタイルで文章が載っていて、現場の写真もデータで提供されます。しかも、社によって若干構図の違う写真を用意してくれるという配慮までされているのです。また、ネタがなくて困っているときは、全力で調べてくれて、取材のアポまで手助けしてくれる始末です。

 

そういう広報に出会うと、いつもお世話になっているから、いつか恩返ししようと思うのが人間。最後は、プレスリリースを出す側と出される側の人間関係ってことですね。

 

今日は、プレスリリースについて考えてみました。何かを伝えたい時は、相手の立場に立って考える。これはどんな文章でも、同じことが言えると思います。

 

お元気で。