TSUJI-LAB.net

人材育成の観点から「経営」「教育」「メディア」について考えます。

ZOOMの授業で個別相談を受ける方法、グループワークを見守る方法

みなさん、こんにちは。

 

早いところですと、オンラインの授業が始まって約1ヶ月が経ちました。あれこれ試行錯誤しながらなんとか授業を継続しているところですが、先行してゴリゴリとオンライン授業を展開している学校ですと、おそらく様々なノウハウが蓄積されきているように思います。

 

私がここ1ヶ月、ZOOMの双方向型の授業を展開してきて、課題だと感じるのは、受講生の反応が見えないということが最も大きな点だと思っています。これを補うには、小まめに反応を取る時間を設ける必要があります。

 

「反応ボタンで、グッドのボタンを押してみてください!」

 

「手を挙げるボタンを押してみてください!」

 

「カメラの前で手で大きな丸を作ってください!」

 

こういう作業を事あるごとに行っていきます。

 

しかし、それでもやはり反応が十分にはわからないと思うことがあります。

 

対面授業でも同じですが、クラス全体で「何か質問ある人?」って聞いてもみんな手を挙げないですよね。特に日本人の学生だと場の空気を読み過ぎてしまう。しかし、対面授業だと全体の場では反応がなくとも、さりげなく「どういけてる?」と声かけができたり、教壇の前まで来て個別に相談しに来たりします。

 

この個別相談によるフォローアップが実はとても重要で、学習効果の底上げに繋がっていると思っています。

 

ZOOMで個別相談や声かけが実現できないものかと試行錯誤した結果、次のような手法があるのかなと思いました。

 

◆個別相談を行う2つの方法

1つ目は下の図のような形を作ることです。まずメーンルームで何か不具合があったり、質問があったりする人は手を挙げるボタンやチャットで反応してもらいます。その後、ブレイクアウトルームを1つ作って、手動でその学生をブレイクアウトルームに入れて話を聞きます。また、授業終わりに一言話しておきたい学生をピンポイントで呼ぶ時にも使えます。

 

ただこのやり方の難点は、他の学生が置き去りになるので、個人ワーク中や授業終わりなど、自分が授業を進行させる必要のない時のみ使える方法だいうことです。また、クラス全体の中で反応してもらわないといけないので、明確に相談したい学生しか言ってきません。

 

f:id:kaz-journal:20200515201407p:plain

 

2つ目の方法は、下の図のようにワーク(個人ワークでもグループワークでも構いません)をブレイクアウトルームでやってもらって、質問がある人だけメーンルームに戻ってきて相談をするというやり方です。

 

このやり方だと、メーンルームに誰もやって来ない場合は、それぞれのグループに入って行ってこちらから声かけができます。「どういけてる?」と声をかけると「大丈夫です」と返事があったり、些細な質問でも言ってくれたりします。また、学生同士で相談し合うこともできます。しかし、ブレイクアウトルームのワークは、メーンルーム以上に目が届かなくなることもあり、サボる学生が出てくることもあります。

 

f:id:kaz-journal:20200515202746p:plain

 

◆グループワークをさりげなく見守る方法

対面授業でグループワークをやってもらうときは、ワークの様子をなんとなく見回ることがありますよね。特に介入せず、つかず離れずの距離感で見守る。そして、介入する余地があれば少し議論に参加する。

 

この状態をZOOMで実現するにはどうすれば良いか。まずいくつかのブレイクアウトルームを作ってグループワークを進めていきます。そして、ホストや共同ホストがブレイクアウトルームを行き来してワークを見守ります。

 

その時に、あえてカメラをOFFにしてミュートした状態で回ると効果的です。カメラをONの状態で部屋に入ると、グループワークをしている受講生が「あ、先生だ」と言って、議論を中断させたり、黙り込んだりしてしまうことがあります。ですから、付かず離れずの状態に近い方法としてカメラOFF、ミュートにしてしまうのです。

 

この方法を考えたのは、私が勤めている國學院大學経済学部の基礎演習という初年次教育の授業を運営してくれているFA(ファシリテーター&アドバイザーの略)と呼ばれる学生たちです。

 

 FAは経済学部に50名近くおりますが、FAたち日頃の実戦から生み出される創意工夫やアイデアは目を見張るものがあります。1ヶ月も経たないうちにZOOMを使いこなし、非常に価値のあるアイデアを続々と生み出してくれています。

 

いつか FAたちのバイネームでアイデア集を日本中に発信できればいいなと思っております。

 

大変な状況が続いております。知らぬ間に家の床で寝てしまっていることもあります。しかし、今、頑張れば日本最先端。笑 楽しみながら頑張りたいと思います。